ヴァリス（新訳版） フィリップ・K・ディック（山形浩生 訳）

これは面白いSF小説なのかと言えばそんなことはない。はっきり言って、つまらない。嵌る人は嵌るが、嵌らない人は嵌らない。悲しいことに、この世の大多数は嵌らない人である。ディックを初めて読みますという人や、面白いSFを求めている人には薦めてないけない。まあ、これはSFなのかという疑問もあるが。面白いとは言えないが、濃厚な小説だということは言える。現実世界に違和感を覚えている人に読んでほしい。

ヴァリス＝ディック流神学と世間では受け止められているが、そんなに大層な神学が披露されているわけではない。

ヴァリス〔新訳版〕